Adobe XDからFigmaへの移行 実践ガイド — 失敗しないための手順・注意点・ツール選び

「Figmaへの移行、そろそろやらないと」— 頭ではわかっていても、手が動かない。

何百ものアートボード、積み上げたコンポーネントシステム、複雑に分岐したプロトタイプ。それらを手作業で移し替える工数を想像するだけで、他の作業を優先したくなる気持ち、よくわかります。

でも、XDのアップデートはもう止まっています。移行を先延ばしにするほど、既存ファイルを触るリスクは静かに積もっていく — そんな状況で、いかに「失敗せず」「現実的なコストで」Figmaに移れるか。

この記事は、その問いに正面から答えるための実践ガイドです。XD→Figma 変換プラグインを実際に開発・運用してきた経験をもとに、判断基準から実行手順、QAまでを一気通貫でまとめました。

この記事で得られること

  • Adobe の方針転換と XD サポート状況の最新整理(いつまで何ができるのか)
  • 「移行完了」の基準を3段階で整理する考え方(100%を目指さない現実的な落としどころ)
  • 手作業・中間フォーマット経由・プラグインの3アプローチと使い分け
  • XD→Figma 変換で「壊れやすい」領域の具体例と対処法
  • 変換後のQAチェックリストとチーム移行のコツ

まだ移行を決めきれていない方へ

「XD をいつまで使えるのか」「移行すべきか様子見か」を先に整理したい方は、Adobe XD のサポート状況と移行タイミング をどうぞ。本記事はその判断が済んだ後の実行ステップをカバーします。

🌊 なぜ今、XDからFigmaへ移行するのか

まずは「なぜ今なのか」を、業界の動きと Figma 側の進化から整理します。

Adobeの方針転換

2022年9月、Adobe は Figma の買収(200億ドル規模)を発表しました。しかし EU 欧州委員会と英 CMA(競争・市場庁)の独占禁止懸念を受け、2023年12月18日に買収は合意解消。Adobe は Figma へ10億ドルの違約金を支払うことになりました。

この前後から Adobe XD への投資は縮小の一途をたどっています。2023年6月22日には XD の単体販売・新規サブスクリプション受付が停止され、以降は Creative Cloud 契約者のみがアクセス可能な状態に。さらに2024年以降は「メンテナンスモード」へ移行し、セキュリティアップデートとクリティカルなバグ修正のみが提供されています。新機能の追加は実質停止しており、事実上のサポート終了フェーズと捉えるデザイナーも増えています。

XD 自体がすぐに使えなくなるわけではありませんが、エコシステムの縮小は避けられません。サードパーティプラグインの開発停止、コミュニティの活性低下、採用市場での XD スキルの需要減少 — こうした外部要因が、移行の必要性を静かに後押ししています。

Figmaが選ばれる理由

Figmaが移行先として選ばれる主な理由を整理すると、以下の3点に集約されます。

ブラウザベースのリアルタイム共同編集。デザイナー、エンジニア、PMが同じファイルを同時に操作・レビューできる点は、XDのクラウドドキュメント共有とは根本的に異なるワークフローを可能にします。

Dev Mode と開発者ハンドオフ2023年の Config でベータ発表された Dev Mode は、デザインファイルを「開発者にとってのブラウザインスペクタ」として機能させるワークスペースです。CSS プロパティの直接コピー、コンポーネントの構造確認、バリアントの一覧表示、デザイントークン連携など、エンジニアが日常的に必要とする情報がデザインファイル内で完結します(有償プランの Editor は無料、View-only 向けは $25/seat/月〜)。

プラグインエコシステムの充実。Figma Communityには数万のプラグインが公開されており、デザインワークフローのほぼあらゆる場面で拡張が可能です。コンテンツ生成、アクセシビリティチェック、デザイントークン管理など、XDでは個別のツールを組み合わせていた作業がFigma内で完結するケースが増えています。

「移行しない」選択肢について

すべてのチームがすぐにFigmaに移行する必要はありません。XDのファイルが少数で、今後の新規プロジェクトもない場合は、既存ファイルをアーカイブとして保持し、新規プロジェクトのみFigmaで始めるアプローチも合理的です。Figma 以外の代替ツール(Sketch、Penpot など)を検討する余地もありますが、エコシステムの規模と移行リソースの入手しやすさを考えると、現時点では Figma が最も現実的な移行先です。

ただし、既存のXDファイルを今後も編集・更新し続ける予定がある場合は、早めの移行を検討すべきです。XDのアップデートが停止している以上、OSやブラウザのアップデートとの互換性問題が将来的に発生するリスクがあります。サポート終了の時期が公式に発表される前に準備を進めておくのが安全です。

「いつか移行」の落とし穴

XD が動く間は問題なくても、OS アップデートで突然起動しなくなるケースは過去にも度々発生しています。XD ファイルは XD でしか開けないため、「読めない資産」が積み上がる前に、手を付けやすいうちに移行を進めるのが安全です。

📋 移行を始める前に整理すべきこと

移行作業に取りかかる前に、以下の4点を整理しておくと、作業中の判断が速くなります。

1. 移行対象ファイルの棚卸し

まず、移行すべきXDファイルの全量を把握します。

  • アクティブなプロジェクト: 現在進行中で、今後も更新が続くファイル → 優先的に移行
  • アーカイブ: 完了済みプロジェクトで、参照のみ → .xdのまま保存でも可
  • デザインシステム: カラー、テキストスタイル、コンポーネントの共有ライブラリ → 移行の中核

ファイル数が多い場合は、スプレッドシートで「ファイル名 / アートボード数 / コンポーネント有無 / プロトタイプ有無 / 優先度」を一覧にしておくと、作業の見通しが立ちやすくなります。

2. 何を「移行」と定義するか

「移行完了」の基準を事前に決めておくことが重要です。

レベルゴール必要な精度
ビジュアル移行見た目が同じであればOKシェイプ・テキスト・スタイルが正確なら十分。コンポーネント構造は不要
構造移行Figma上で編集・拡張できるコンポーネント、Auto Layout、レイヤー階層の再現が必要
全面移行XDファイルをすべて置き換える上記に加え、プロトタイプ、デザインシステム、スタイルの移行も含む

多くのチームにとって、現実的なゴールは「構造移行」です。全面移行は理想ですが、XDとFigmaのデータモデルの違いにより、100%同一の再現は技術的に不可能な部分があります(後述)。

現実的な目安は「80 : 20」

「80%を自動変換し、残り20%を手作業で調整する」という前提で計画を立てるのが現実的です。最初から100%を目指すと、わずかなずれにも時間を溶かしてしまいます。

3. XDファイルの事前クリーンアップ

変換の品質は、入力ファイルの品質に大きく左右されます。変換前に以下を整理しておくと、結果が大幅に改善されます。

  • 未使用のアートボードを削除: 古い検討案や没デザインが残っていると、変換時間とファイルサイズが無駄に膨らむ
  • 非表示レイヤーの整理: 非表示のまま残っている大量のレイヤーも変換対象になる。不要なら削除
  • コンポーネントの正規化: 使われていない古いシンボルがアセットパネルに残っていないか確認
  • リンク切れのプロトタイプ接続: 削除したアートボードへの接続が残っていると、変換時にスキップされる(害はないが、ログにノイズが増える)

4. Figma側の受け入れ準備

  • 新しいFigmaファイルを用意: 既存ファイルに変換結果を追加するのではなく、空のファイルに変換することを推奨。ファイルサイズの最適化とレイヤー衝突の回避のため
  • フォントのインストール確認: XDで使用しているフォントがFigma(またはローカルマシン)で利用可能か事前に確認。Google Fontsは自動認識されるが、カスタムフォントはFigmaデスクトップアプリのFont Helperが必要
  • チームのFigmaプランの確認: Freeプランでもファイル数に制限があるため、大量移行の場合はFigma Pro(旧 Professional)以上が必要

🛠 移行の3つのアプローチ — 手作業・中間フォーマット経由・プラグイン

XDからFigmaへの移行には、大きく3つのアプローチがあります。それぞれにメリット・デメリットがあり、プロジェクトの状況に応じて使い分けるのが現実的です。

アプローチ1: 手作業での再構築

XDのデザインを見ながら、Figma上で一から作り直す方法です。

向いているケース:

  • ファイル数が少ない(1〜2ファイル)
  • デザインの刷新も同時に行いたい
  • Figmaの機能を学びながら移行したい

現実的な問題:

  • 微妙なスタイルの違い(角丸の値、影のパラメータ、グラデーションの角度)の再現が困難
  • コンポーネント構造の再構築が最も時間がかかる部分
  • ファイル規模に応じて工数が指数的に膨らみやすい

手作業コストの計算上の目安

実測値ではありませんが、デザイナー1人・1アートボードに30〜60分で再構築すると仮定した場合の計算上の目安は以下の通りです(実際の工数はデザイナーのスキル、ファイルの複雑さ、再現精度の要求水準で大きく変動します)。

  • 30アートボード規模: 15〜30時間(約2〜4人日)
  • 100アートボード規模: 50〜100時間(約1〜2人週)
  • 300アートボード規模: 150〜300時間(約1〜2人月)

ここにコンポーネント再構築・プロトタイプ再接続・QA工数が上乗せされます。

アプローチ2: 中間フォーマットを経由するインポート

Figma には XD ファイルを直接インポートする公式機能はありません。ただし、中間フォーマットを経由する方法がいくつか知られています。

方法A: XD → Sketch → Figma

Figma には Sketch ファイルの公式インポート機能があります(File > New from Sketch file)。XD ファイルを一度 Sketch 形式に変換し、それを Figma にインポートする方法です。ただし XD → Sketch についても公式に利用できる変換ツールは提供されていないため、サードパーティ製のツールを利用する必要があります。

  • Sketch 経由のため、テキスト・レイヤー構造・シンボルがある程度保持される
  • ただし XD → Sketch の変換精度はツール依存であり、この段階でデータが欠落するリスクがある
  • 2回の変換を経由するため、最終的な再現精度が予測しにくい

方法B: XD → SVG → Figma

XD からアートボードを SVG でエクスポートし、Figma にインポートする方法です。

  • アイコンやイラストなど単純なグラフィックの移行には有効
  • ただし SVG はベクターパスの集合体であるため、テキストの編集情報、コンポーネント構造、プロトタイプ、エフェクトはすべて失われる
  • 画面全体の移行には不向き — 結果は「大きなパス情報の塊」になり、Figma 上での編集が極めて困難

いずれの方法も、変換コストや中間変換でのデータロスが避けられないため、「構造移行」以上を目指す場合には限界があります。

アプローチ3: 専用の変換プラグイン

Figma Communityには、XDファイルの変換に特化したプラグインがいくつか公開されています。プラグインごとに対応範囲と精度が異なるため、自分のファイルで実際に試してから判断するのが最善です。代表的なプラグインの機能・精度・価格の違いは、XD→Figma 変換プラグイン徹底比較 でまとめています。

プラグイン選びで確認すべきポイント:

確認項目なぜ重要か
コンポーネント対応シンボルがFigmaコンポーネントになるか、ただのグループになるかで、移行後の作業効率が大きく変わる
Auto Layout対応XDスタックがAuto Layoutに変換されないと、Figma上でのリサイズ対応を手作業でやり直すことになる
プロトタイプ対応画面遷移やインタラクションの再接続は手作業で最も時間がかかる部分
プライバシーデザインファイルを外部サーバーにアップロードする必要があるか。NDA案件では特に重要
無料トライアル自分のファイルで変換品質を確認してから購入判断できるか
料金モデル移行は一度きりの作業。サブスクリプションか買い切りかで総コストが変わる

Pixel Fine Converter について: Pixel Fine Converter は上記すべての項目に対応した XD→Figma 変換プラグインです。コンポーネント、Auto Layout、プロトタイプの変換に対応し、100%ローカル処理でファイルの外部送信はありません。Freeプラン(3アートボード・30MBまで)で変換品質を確認してから、必要に応じて Pro プラン($29 買い切り)にアップグレードできます。

⚠️ XD→Figma変換で「壊れやすい」もの

ここからは少し技術寄りの話です。XDとFigmaは見た目は似ていますが、内部のデータモデルは大きく異なります。どのツールを使っても、以下の領域では変換精度の限界があります。事前に知っておくことで、変換後の手直し箇所を予測し、効率的にQAを行えます。

テキストのベースライン位置

XDとFigmaではフォントメトリクス(テキストの垂直方向の配置計算)のモデルが異なります。同じフォント・同じサイズのテキストでも、Figmaでは数ピクセル上下にずれることがあります。

特に影響が大きいのは以下のケースです:

  • CJK(日本語・中国語・韓国語)フォント: 欧文フォントよりメトリクス差が大きい傾向
  • Auto Layout内のテキスト: 横並びのテキストで、ハーフレディング(行高さの余白配分)の違いが顕在化する
  • 装飾的な大きいテキスト: lineHeight < fontSize のテキストがFigmaではクリッピングされる

このあたりの差異を軽減する仕組みはFine-tuning 機能で詳しく解説しています。

グラデーションの角度

XDは正規化座標系(0〜1)でグラデーションを定義し、Figmaはバウンディングボックス座標系を使用します。正方形の要素では問題になりませんが、横長や縦長の要素で斜めのグラデーションを使っている場合、角度にずれが生じます。

数学的な補正を行うことでずれは最小化できますが、XDの座標系をFigmaの座標系に完全にマッピングすることは原理的に限界があるケースもあります。

コンポーネントのオーバーライド

XDのシンボルインスタンスは非常に柔軟で、マスターと構造が異なっていても許容されます。子ノードの追加・削除・型の変更が可能です。

一方、Figmaのインスタンスはメインコンポーネントと完全に同じ構造でなければなりません。この根本的なモデルの違いにより、XDで構造変更されたインスタンスはFigmaではコンポーネントインスタンスとして再現できず、プレーンなフレームにフォールバックされます。見た目は正確に再現されますが、コンポーネントとしての参照関係は失われます。

→ コンポーネント変換の仕組みはコンポーネント機能の解説を参照してください。

プロトタイプの一部のアクション

XDのAuto-AnimateはFigmaのSmart Animateに対応しますが、補間ロジックが完全に同一ではありません。単純なプロパティ変化(位置・サイズ・不透明度)は忠実に再現されますが、複雑なパスモーフィングやマスクアニメーションでは差異が出る場合があります。

また、XDのオーバーレイの位置指定(overlayPositionType)はFigma Plugin APIの制限により変換できないため、変換後はデフォルトの中央配置になります。

→ プロトタイプ変換の詳細はプロトタイプ機能の解説で。

Auto Layoutの交差軸アラインメント

XDのスタックには、交差軸方向のアラインメント(左揃え・中央揃え・右揃え)を明示的に指定するプロパティがありません。子要素の座標配置から推論する必要がありますが、推論には不確実性が伴います。

例えば、アイコン(小さい要素)とテキスト(大きい要素)が横に並んでいる場合、座標上は「中央揃えに近い」のか「上揃えで少しオフセットしている」のかが曖昧になるケースがあります。

→ XDスタックからAuto Layoutへの変換ロジックはオートレイアウト機能Guideのオートレイアウトオプションを参照。

ここまで読んだら、まず手を動かしてみる

XD→Figma 変換の「壊れやすい」領域がわかったら、次は実際に手元のファイルで変換品質を確認するステップです。Free プラン(3アートボード・30MBまで)なら Figma Community から1クリックでインストールでき、費用も登録も不要です。記事の残りは、プラグインを使った具体的な移行手順とQAチェックリストをまとめています。

🚀 プラグインを使った移行手順(ステップバイステップ)

ここでは、Pixel Fine Converterを例に、プラグインを使った移行の具体的な手順を説明します。他のプラグインでも基本的な流れは同様です。

Step 1: プラグインのインストール

  1. Figma Community のプラグインページにアクセス
  2. 「Install」をクリック(Figmaアカウントが必要。無料アカウントでOK)

Step 2: 新しいFigmaファイルを作成

変換結果を受け入れるための新しいファイルを作成します。既存のファイルに追加することもできますが、ファイルサイズの最適化のために新規ファイルを推奨します。

Step 3: プラグインを起動

Figmaエディタで「Plugins」メニュー > 「Pixel Fine Converter」を選択してプラグインを起動します。

Step 4: XDファイルをドロップ

プラグインのアップロードエリアに.xdファイルをドラッグ&ドロップします(またはクリックしてファイル選択)。

Step 5: オプションを確認

変換オプションを確認します。主要なオプション:

  • Auto Layout: XDのスタックをFigma Auto Layoutに変換(Pro)
  • Components: XDシンボルをFigmaコンポーネントに変換(Pro)
  • Prototype Interactions: プロトタイプ接続を変換(Pro)

各オプションの詳細や微調整パラメータはガイドにまとめてあります。初回はデフォルト設定のまま変換し、結果を見てからオプションを調整するのがおすすめです。

まずは小さなファイルで試す

初回はアートボード数の少ないファイル(5〜10枚程度)から試すと、結果の傾向を素早く掴めます。変換の癖がわかってから本番ファイルに取り掛かると、手戻りがぐっと減ります。

Step 6: 変換を実行

「Convert to Figma」をクリック。プログレスバーが表示され、完了するとFigma上に変換結果が表示されます。

変換時間の目安(計算上の参考値):

  • 小規模ファイル(〜10アートボード): 数秒〜30秒
  • 中規模ファイル(10〜50アートボード): 30秒〜5分
  • 大規模ファイル(50アートボード以上): 5分〜

※ マシンスペック、ファイルサイズ、画像数、コンポーネントの複雑さによって変動します。まずは Free プランで手元のファイルでお試しください。

Step 7: 結果を確認

変換が完了したら、以下の順序で確認すると効率的です:

  1. 全体像: ページ一覧で全アートボードが変換されているか
  2. レイアウト: 代表的なアートボード2〜3枚を選んで、全体のレイアウトが崩れていないか
  3. テキスト: フォントが正しく読み込まれているか、文字化けがないか
  4. コンポーネント: _Componentsページにコンポーネントが生成されているか
  5. プロトタイプ: プロトタイプモード(プレビュー)で主要な画面遷移が動くか

✅ 変換後のチェックリスト

変換結果の品質を効率的に確認するためのチェックリストです。すべての項目を確認する必要はありません — プロジェクトの移行レベル(ビジュアル / 構造 / 全面)に応じて、必要な項目を選んでください。

ビジュアル確認

  • フォント: 「Missing fonts」の警告が出ていないか。出ている場合はフォントをインストールしてから再確認
  • テキスト: 主要な見出し・本文のフォントサイズ、行間、色が正しいか
  • 画像: 埋め込み画像が正しく表示されているか。欠落がないか
  • 色とエフェクト: グラデーション、シャドウ、ブラーが再現されているか
  • マスク: クリッピングマスクが正しく適用されているか

構造確認

  • レイヤー階層: グループ構造が維持されているか
  • コンポーネント: インスタンスがコンポーネントに紐づいているか(右パネルで確認)
  • Auto Layout: スタックがAuto Layoutフレームに変換されているか。リサイズしてみて追従するか
  • 命名: レイヤー名がXDと一致しているか

インタラクション確認

  • 画面遷移: 主要なフローがプロトタイプモードで動作するか
  • ステート変更: ホバーやプレスのバリアント切替が動くか
  • オーバーレイ: モーダルやポップオーバーが表示されるか

手直しが必要になりやすい箇所

経験上、変換後に手直しが必要になることが多い箇所を優先度順にまとめました:

  1. フォントの置換: XDでカスタムフォントを使っている場合、Figmaで利用可能か確認。不足フォントは手動で代替フォントに置換
  2. Auto Layout内のテキスト位置: ハーフレディング差異により数ピクセルずれることがある。Fine-tuningオプションで軽減可能
  3. コンポーネントの微調整: 構造不一致でプレーンフレームにフォールバックしたインスタンスを特定し、必要に応じてコンポーネントに再接続
  4. オーバーレイの位置: 変換後はデフォルト中央配置になるため、位置指定が必要な場合は手動で調整
  5. 非標準のエフェクト組み合わせ: 複数のブレンドモードを重ねている場合など、見た目を確認して微調整

👥 チーム移行のポイント

個人の移行と異なり、チームでの移行には追加の考慮事項があります。

ファイル数から見た計画の規模感(計算上の目安)

ファイル規模想定期間進め方の目安
〜10ファイル数日一斉移行でも対応可能。プラグインでまとめて変換→QA→一括切り替え
10〜50ファイル2〜4週間優先度順に段階的移行。重要プロジェクトから順次、並行運用期間を短く
50ファイル以上1〜3ヶ月デザインシステム→アクティブプロジェクト→アーカイブの順。移行リーダーを立てて進行管理

※ 上記は仮定に基づく計算上の目安です。実際の期間はチーム人数、ファイル複雑度、並行稼働案件の有無で大きく変動します。

移行計画の策定

チーム移行では「一斉移行」と「段階的移行」の2つのアプローチがあります。

一斉移行は、特定の日を境に全チームがFigmaに切り替える方法です。XDとFigmaの並行運用期間がなくなるため混乱が少ない反面、準備期間が必要です。チーム全員がFigmaの基本操作に慣れてから実施するのが理想です。

段階的移行は、新規プロジェクトからFigmaを使い始め、既存プロジェクトは必要に応じて順次移行する方法です。移行リスクは低いですが、XDとFigmaの並行運用期間が長くなり、チーム内でツールが分かれるストレスがあります。

デザインシステムの移行

XDで共有ライブラリとして管理しているカラー、テキストスタイル、コンポーネントは、Figmaのチームライブラリとして再構成する必要があります。

この際、XDのデザインシステムをそのままFigmaに持ってくるのではなく、Figmaのベストプラクティスに合わせて再設計することを検討してください。Figmaにはバリアント、Auto Layout、Component Properties(プロパティ)など、XDにはない機能があります。移行を機にデザインシステムを進化させる良い機会です。

具体的には:

  • カラーとテキストスタイル: 変換プラグインのDocument Styles機能でインポート可能。Figmaのローカルスタイルとして即座に利用開始できる
  • コンポーネント: 変換で生成されたコンポーネントをベースに、Figmaのバリアントやプロパティを活用してリファクタリング
  • チームライブラリとして公開: 移行完了後、Figmaのチームライブラリとして公開し、全プロジェクトから参照できるようにする

チームのトレーニング

Figmaの基本操作はXDユーザーであれば直感的に習得できますが、以下の違いは事前に共有しておくとスムーズです:

  • ファイル構成: XDは「1ファイル = 1プロジェクト」の傾向だが、Figmaはページ機能が充実しているため「1ファイル = 複数ページ」の構成が一般的
  • Auto Layout: XDのスタック(コンテンツ対応グループ)に相当するが、より細かい制御が可能。パディング、配置、リサイズルールの概念を理解する
  • コンポーネントのバリアント: XDのステートに相当するが、Component Setとして管理する方法が異なる
  • 共同編集のエチケット: リアルタイムで同じファイルを編集できるため、作業領域の分担やブランチ機能の活用について事前にルールを決める

💬 よくある質問

実際に移行を検討している方から特によくいただく質問をまとめました。

Q: XDファイルのまま保存しておけば、将来いつでも移行できますか?

A: .xdファイル自体は保存しておけますが、XDアプリケーションが将来のOSアップデートで動作しなくなるリスクがあります。.xdファイルの内容を確認・編集するためにはXDが必要なので、「いつでも移行できる」前提で先延ばしにするのは推奨しません。移行する予定があるなら、XDが正常に動作する今のうちに実施するのが安全です。

Q: 変換プラグインを使うと、XDファイルは外部に送信されますか?

A: プラグインによります。Pixel Fine Converterの場合、変換処理はすべてローカル(Figmaプラグインのサンドボックス内)で行われます。ネットワークアクセスはFigmaプラットフォームレベルで「none」に設定されており、技術的にファイルを外部送信する手段がありません。NDA案件など機密性の高いファイルでも安心してご利用いただけます。プライバシー周りの詳細はFAQページでもまとめています。

Q: 変換にはどのくらい時間がかかりますか?

A: ファイルのサイズ、アートボード数、コンポーネントの複雑さによって異なります。目安として、10アートボード程度の標準的なファイルなら30秒以内、50アートボード以上の大規模ファイルでは5分以上かかることもあります。

Q: Free版とPro版の違いは?

A: Free版では3アートボード・30MBまでの基本変換(シェイプ、テキスト、スタイル、エフェクト、マスク、画像)が利用できます。Pro版($29の買い切り)では、アートボード無制限・300MBに加え、コンポーネント変換、Auto Layout変換、プロトタイプ変換、デザインシステムのインポートなど、構造移行に必要なすべての機能が利用可能になります。他の変換プラグインとの料金体系・機能範囲の違いは、変換プラグイン徹底比較 も参考にどうぞ。

Q: 変換結果に問題があった場合、やり直しはできますか?

A: はい。変換結果は新しいページに生成されるため、元のFigmaファイルの内容に影響はありません。オプションを調整して何度でも再変換できます。結果が気に入らなければ、生成されたページを削除するだけです。

Q: XDのリピートグリッドは変換されますか?

A: Pixel Fine ConverterのPro版では、1D(横方向・縦方向)と2D のリピートグリッドをFigma Auto Layoutフレームとして変換します。セル間隔とパディングが保持され、Figma上で編集可能な状態になります。

Q: 変換後、XDの元ファイルは削除しても大丈夫ですか?

A: 変換結果を十分に確認し、問題がないことを確認してから削除することを推奨します。変換直後は「問題なし」に見えても、特定の画面やインタラクションで見落としがある可能性があります。少なくとも1〜2週間は元ファイルをバックアップとして保持しておくのが安全です。

🎯 まとめ

XDからFigmaへの移行は、多くのデザイナーやチームにとって避けて通れない作業になりつつあります。しかし、正しい準備と適切なツールがあれば、移行のストレスは大幅に軽減できます。

この記事のポイントを振り返ります:

  1. 移行の目的を明確にする — ビジュアル移行・構造移行・全面移行のどのレベルを目指すか
  2. 事前準備を怠らない — ファイルの棚卸し、クリーンアップ、Figma側の受け入れ準備
  3. 適切なツールを選ぶ — 手作業・中間フォーマット経由・プラグインの特性を理解し、自分のファイルで試す
  4. 壊れやすい箇所を事前に知る — テキストベースライン、グラデーション、コンポーネントモデルの違い
  5. 変換後のQAを計画する — チェックリストに沿って効率的に確認

移行は面倒な作業ですが、裏を返せば、デザインワークフロー全体を見直し、改善する機会でもあります。XDで積み上げてきた資産を、Figmaの新しい機能(Auto Layout、バリアント、Dev Mode)を活かした形に進化させるチャンスです。

まずは手元のXDファイルで変換を試してみてください。

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